鶴書房
「ＳＦベストセラーズ」（海外シリーズ） 全８巻 小四六版カバー 定価６００円 １９７５
＊一般的には「スヌーピー」のペーパーバック・コミック、ＳＦ的には「時をかける少女」に代表されるシリーズで知られている出版社ですが、そのシリーズは以前は盛光社から「ジュニアＳＦ」（全１０巻）として出ており、また後には「続・時をかける少女」を加え全１１巻で鶴書房盛光社より刊行、さらにこれに１５冊追加し全２６巻で鶴書房から刊行されるという複雑な経緯をたどっています。一方、すばる書房という出版社が７４年に「ＳＦバックス」というシリーズで眉村・福島・光瀬の３作品を刊行。これは後に鶴書房版の「ＳＦベストセラーズ」全２６巻の中に加えられています。そしてその一方では第一期の「奇想天外」の版元としてすばる書房盛光社という出版社があり、一体、この３社（５社？）には何があったのかと興味をそそられてしまいます。
話がすっかり脱線してしまいましたが、これはその鶴書房のゴタゴタ（多分あったんでしょうねえ）が落ち着いたとおぼしき、昭和５０年から刊行された海外ＳＦのジュニア版です。特に珍しい作品が含まれているわけでもなく、うち２冊がバローズだったりバランスの悪さが目立ちますね。武部本一郎・画の「火星の合成人間」「地底世界探検隊」はおさえておきたいところです。なお同形態の「推理小説ベストセラーズ」（全１０巻）というのもあるのですが、こちらになぜかＪ・Ｗ・キャンベルＪｒの「物体Ｘの恐怖」が含まれています。本当に謎に満ちた出版社です。
１ 失われた世界 コナン・ドイル 塩谷太郎 ＊通し番号は現物にはついていません。
２ 火星のまぼろし兵団 Ｅ・Ｒ・バローズ 福島正実
３ 火星の合成人間 Ｅ・Ｒ・バローズ 南山宏 絵・武部本一郎
４ ヤンキーの夢の冒険 Ｍ・トウェーン 内田庶 絵・中山正美
５ 金星のなぞ Ｐ・ムーア 塩谷太郎
６ 星の征服者 Ｂ・ボバ 福島正実
７ 地底世界探検隊 オーブルチェフ 袋一平
８ 海底二万マイル ベルヌ 村上啓夫 絵・石井三春
