１２．１８（木）
録画で、昨夜最終回を迎えた『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』を観賞。いや～ 面白かったです！
三谷幸喜の半自伝的な内容で、８０年代の渋谷の百軒店ならぬ「八分坂」のストリップ劇場が舞台。潰れる寸前のその小屋に、才能と野心に満ちた演出家の青年がひょんなことから潜り込み、ストリップ小屋を小劇場に変えようと奮闘するが、そこに一癖も二癖もある人間たちが絡みあい、てんやわんやの日々が綴られる。
視聴率が芳しくなかったことで、ネットではあれやこれやと書かれていたが、そこまでくさすこともない、まずまずの出来だったというのが自分の感想。とにかく出演者が豪華なのに驚かされて、確かにその交通整理が上手くいっていない面も見受けられたが、最後は落ち着くところに落ち着いて、面白うてやがて哀しき青春群像劇になっていたと思う。菅田将暉の演じる主人公に難があり過ぎて、そこが受けつけられない人も結構いたようで、それについては納得はできる。ただクリエイターの世界には、ああいう才能はあるのに性格がダメダメという人間が必ず実在するもので、我々はこれまでにもその実例を幾つも実際のスキャンダルなどでメディアから知らされてきたはず。どうにもならない吹き溜まりにいたような連中が、主人公の破天荒ながら情のある手ほどきを受けて、少しずつ役者として成長し、最後は大きなピンチを全員で乗り越えて、めでたしめでたしとなる展開ならば、文句はつかなかったのかもしれない。でも三谷幸喜はそういうものは書かない気がするし、ましてや半自伝的なドラマなら尚更だろう。
自分はとにかくこのドラマの二階堂ふみが気に入ってしまって、毎週彼女を観ているだけで満足だったので、少々のことはどうでもよかったです。
それにしても、あんなに面白かった『べらぼう』も視聴率が悪かったというし、何だか自分の嗜好がどんどん世間とずれていっているのかなと思わなくもない。それでも、好きなものを好きなように観ていくだけなんだけどね。
本日のＢＧＭ「ＳＹＭＰＴＯＭ ＯＦ ＴＨＥ ＵＮＩＶＥＲＳＥ（悪魔のしるし）」ＢＬＡＣＫ ＳＡＢＢＡＴＨ（１９７５）
１２．１７（水）
およそ一年ぶりに帰省する。
体調を崩してからは、初めての新幹線での遠出となるので、不安だったのだが、問題なくて安堵する。広島駅では、ちょっと駅弁コーナーを覗いてみたら、軒並み高くなっていて愕然。イメージとしては、ちょっとした高級品クラスじゃないか。
小倉駅で妹と合流して、彼女の車で母親の居る施設へ向かった。
面会時間は１５分なので、あっという間だったが、本人は安定している様子だった。また一回り小さくなったような気がして淋しくはあったが。
その後は、施設のスタッフさんらとカンファレンス。特に大きな問題はなさそうで安心する。社交的な性格なので、やはり周りに他者がいるのが良い刺激になっているのかもしれない。
母と別れた後、妹と昼食。前に連れて行って貰ったお店がお休みで、次の候補も定休日。３軒目の小倉駅近くのインドカレー店「ギタンジャリ」は、無事に開いていた。ランチの豆と茄子のカレー、ナン、サラダ、ミニタンドリーチキンにマンゴーラッシーをつけた。かなり美味しかった。
雨天気味だったし、少々疲れてもいたので、他を回ることはせず、１４時前の新幹線でおとなしく帰途に着いた。
夜、録画にて、昨夜最終回を迎えた『ちょっとだけエスパー』を観る。
あの野木亜紀子が脚本を手掛けるオリジナル作品、しかもＳＦということで期待していたのだが、やはり面白かった。
序盤はコメディタッチだったのだが、大泉洋ら登場人物たちをエスパーにスカウトした岡田将生の真の目的が明らかになるにつれ、シリアス度がアップ。部分的に引っ掛かる点が幾つかあったが、最終的には『魔法少女まどか☆マギカ』を思わせる歴史改変ＳＦになった。が、着地点はほろ苦くも温かみのあるものに。あくまでも一般向けドラマなんで、あれで良いのだろうね。
本日のＢＧＭ「ＲＯＣＫ ＢＯＴＴＯＭ」ＵＦＯ（１９７４）
１２．１４（日）
年末、シーズン末となり、これまで観ていたドラマもそれぞれ最終回を迎えつつある。
まず今日は、大河ドラマ『べらぼう』の最終回をリアルタイムで観賞。見事な締めくくりに感服し、大満足。虚実を巧みに組み合わせた上質のエンタメ作品だったと思う。
蔦屋重三郎が主人公、そして贔屓の小芝風花が吉原の花魁を演じると知り、最初から観ていたのだが、当初は吉原パートと田沼パートの絡みに必然性が希薄で、やや無理矢理感があり、先行きを危惧してもいたのだが、どんどん面白くなっていって、陰惨になりかねない松平定信の「寛政の改革」パートでは、より裏の悪を設定することで、定信ＶＳ蔦重という単純な図式に堕すことなく、終盤への展開に興味を引っ張ることに成功していた。
確定していない歴史の余白を「もしかしたらこうだったかもよ？」と、空想、奇想で解釈し、それらを随所に挟み込み、派手な合戦などのない、地味ともいえる題材を大いに盛り上げていたと思う。ここを楽しめたかどうかが『べらぼう』の評価の分かれ目になるのではないだろうか。
皆が気にしていたであろう小芝風花の瀬川のその後も、ちゃんと見せてくれたし、綾瀬はるかのお稲荷さんも姿を見せてくれて眼福だった。狐コスならもっと良かったのだが。
来年はお馴染みの戦国ものだから、どうしようかと思っているのだが、主演が仲野太賀なので、とりあえず観そうな気がします。
本日のＢＧＭ「ＡＮＯＴＨＥＲ ＰＩＥＣＥ ＯＦ ＭＥＡＴ」ＳＣＯＲＰＩＯＮＳ（１９７９）
１２．１３（土）
実に９か月ぶりに、友人たちとの麻雀に参加。
集中力が保てるかが不安だったのだが、四打ち１回、三打ち３回、完走できてホッとした。成績も３連勝に２着と出来過ぎ。まあ、ツキが貯まっていたのだろう。
その後、夜からは横川に移動して、「や台寿司」で忘年会。自分はノンアルではあったが、握りの他、手羽先揚げや里芋揚げを摘まみつつ、雑談に興じた。自宅を引き払い、田舎の方へ引っ込んだり、岡山から終の棲家を広島に構えたり、カクヨムで大長編ファンタジーを公開したりと、皆それぞれ。『国宝』を観たという友人からは３時間があっという間とオススメされた。やはり観ている人多いなぁ。
幹事を務めて下さった先輩が、株主優待券をお持ちだったので、さんざん飲み喰いしたのに３割引きぐらいの支払いで済んだ。ごちそうさまでした。
遊びではあるが、こうして外との交流を再開できたのは嬉しい。この先も、あまり気張らずに少しずつ慣らし運転をしていこう。
本日のＢＧＭ「Ｉ ＢＥＬＩＥＶＥ ＩＮ ＹＯＵ」Ｙ＆Ｔ（１９８１）
１２．１０（水）
本年ラストの地元組合交換会の日。
服装を真冬モードにして、家を出たが、大正解だった。
会場に着いたが、自分一人では暖房代がもったいないので、しばらく待って、ほど良く人が集まってから、暖房を入れた。
いつもの面子に加え、今日は山口の「雨と夢の古本屋」さんがいらっしゃり、人数、出品共に、締めくくりにふさわしい盛況ぶりだったと思う。
長らく手掛けている組合規約の改定について、各役員と意見交換し、かなり詰めることができた。年内には仕上げておきたいが、そこはまあ、無理せずいこう。
解散後、有志で商工センターにある仕出し弁当の「千鳥」が営業している食堂へ。
入口のメニュー看板を見て、唐揚げ定食を頼もうと決めたが、中の食券売り場には売切れの非情の文字が。がっかりしていると、店員さんが厨房に確認してくれて、一つだけ出せますと云われて、喜ぶ。
出された唐揚げの大きさにたじろいだが、今どき珍しい骨付きだった。なので、肉部分の量はさほどでも。けれど、６５０円と安いので文句はいいっこなしなしだ。味も十分美味しかったしね。
本日のＢＧＭ「ＲＯＡＤ ＲＡＣＩＮ」ＲＩＯＴ（１９７９）
１２．８（月）
気がつけば、もう１２月だ。今年も終盤になってしまった。いよいよ苦手な寒い季節なので、いささか気が滅入る。ほんと寒いの嫌い。
師走の予定、帰省と忘年会２つを確定させる。まだこれぐらいが限度かなという感じだな。
積み録映画の観賞を粛々と進めております。
『オールド』（監督・制作・脚本Ｍ・ナイト・シャマラン ２０２１ 米）を観る。特段ファンというわけでもないのだが、『シックス・センス』から『サイン』『ヴィレッジ』『ヴィジット』と何だかんだとこの監督の作品は観ているなぁ。
休暇であるリゾートホテルを訪れた３家族が、ホテルマネージャーから各々ホテルのプライベートビーチへの誘いを受ける。ビーチへ行った彼らは、楽しむ間もなく、そこで身元不明の水死体の遭遇してしまう。携帯電話の電波が届かないので、一人がビーチの外へ向かうが、何故か途中で意識を失ってしまう。他の者が行っても同じ結果となり、動揺する一同を更なる異変が襲う。家族の内、子供たちが異常に成長してしまったのだ。そして大人たちは同じように老化してしまっていた。どうやらこのビーチでは、時間の経過が極端に早くなっているらしい。一体何故？
出たな、シャマラン得意の大風呂敷が！と思い、さあこれをどう畳むのかなと少しは楽しみに観ていたのだが、何というか拍子抜け。真相はまあそうだろうねという印象だし、異変の原因もそれでいいなら何でもできるよね、という感想のみ。面白くないわけではないが、大きな意外性はないし、感動もない、贅沢な予算で作られたＶシネホラー標準作というのが、自分の評価でした。でも、何とくなくこの監督の作品は気になってしまうんだよね。抜けきれないインディーズ臭さがあるというか、いい意味でのＢ級臭さが好ましいというか。
就寝前に北海道・東北で大きな地震あり。震度６強で、津波警報・注意報も出て、ＴＶ各局が緊急放送に切り替わった。被害の規模などを気にしつつ、布団に潜り込んだ。
本日のＢＧＭ「ＬＯＶＥ ＡＩＮ’Ｔ ＮＯ ＳＴＲＡＮＧＥＲ」ＷＨＩＴＥＳＮＡＫＥ（１９８４）